膝・腰・肩の痛みと幻肢痛
厚生労働省が行った21世紀初頭の調査によりますと医療施設や介護施設に入院・入所していない方の自覚症状の第1位が腰痛、第2位が肩こり、第3位が手足の関節の痛みと運動器疾患が占めています。テレビのコマーシャルや通信販売を見てみると、運動器の痛みに関する商品は安定器具、湿布、貼付剤や内服薬等、多種多様です。これら製品には市販ですから当たり前ですが、痛みを伴う物が全くありません。だからまずはこれ。
次に頼るは鍼灸や整体。そして医療機関、それも内科か理学療法科。多少なりとも痛みを伴うかもしれませんが、極々軽度。
最後の砦が整形外科での手術。
痛みの観点からすると、これが一般的な流れで、とても妥当な選択ではないでしょうか。やはり誰もが痛みはイヤですから。
原因は多種多様です。まず脊椎疾患から起こる腰痛、肩こりや首の痛みや手足の痛みは激烈なものが多いのですが、単なる痛みだけでなく他の神経症状、たとえば筋力の低下、手のしびれ、膀胱直腸障害まで伴わないと手術の対象にはなりません。そして手術を受けても病気の進行が妨げられるだけで、現状維持で終わる場合もあり、リハビリテーションを長く続けなければいけない事もあります。即ち手術とは言え万能ではないという事です。
ここに別の治療法が加わってきました、神経ブロック療法です。これは内科的療法でもなく、理学療法でもなく、そして外科的療法でもありません。神経ブロックとは経皮的に神経に直接又は神経近傍に薬剤、一般的には局所麻酔薬を投与して神経伝導を遮断するものです。
脊椎疾患治療、特に腰痛に神経ブロック療法が導入されてから、手術まで必要な患者は50人に1人位であったという事例があります。神経の数だけ神経ブロック法がありますが、多用される手技は硬膜外ブロックと神経根ブロックでしょう。硬膜外ブロックは痛みも軽度で繰り返し行え、血行改善にも役立ちますが、作用時間がそれほど長くなく、手技が難しいため、麻酔科で好まれる傾向にあるようです。神経根ブロックは強い痛みを伴いますが、作用時間により長時間型と短時間型に分かれ、手術適応判定に役立つため整形外科でよく用いられています。
関節疾患において、膝関節痛を示す膝内障には硬膜外ブロックが有用で、除痛と血行改善により、悪循環が断ち切られるため、ヒアルロン酸関節腔内注入と併用するとより良い効果が得られると考えられています。
また肩関節痛を引き起こす肩関節周囲炎には肩甲上神経ブロックが適応です。末梢神経ですから長時間有効であり、理学療法との組み合わせで著名な効果が得られます。
切断されたにもかかわらず、あたかもそこに切断四肢が存在するように感じ、不快な疼痛を伴う幻肢痛では交感神経ブロックが唯一の治療法でなないかと思われるほどの効果を示すことができます。
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